3-2. 転写機構
https://gyazo.com/c46126ed3d416a19ff66aa9dd02da825
1) RNA合成:RNAポリメラーゼ
転写反応ではまず酵素が遺伝子に隣接するプロモーター領域に結合する https://gyazo.com/374ece00513123e8b8324d362b4e4ba1
鋳型に利用されるのはDNAの一方のみだが、酵素が作用するためには二本鎖である必要がある プロモーターに結合した酵素は、一方方向(遺伝子の方向)に移動する プライマーは不要である. つまり鎖合成の開始ができる なお、遺伝子を眺めた場合、プロモーター側を遺伝子の上流、反対側を下流と呼ぶ
遺伝子上流のさらに上流の非遺伝子部分も上流という場合がある
2) 転写開始
プロモーター認識にはRNAポリメラーゼ中のσ因子というタンパク質がかかわる https://gyazo.com/c298265f82f7db403240c62c082b9cd0
σ因子を持つRNAポリメラーゼがプロモーターに結合すると、酵素のもつDNAヘリカーゼ活性でDNAが部分的に変性する(活性化状態になる) σ因子は転写が始まるとほどなくRNAポリメラーゼ本体(ホロ酵素)から離れ、それをもたないRNAポリメラーゼ(コア酵素)に再結合する 3) 転写集結まで
終結のために専用の因子(ρ因子)が結合する機構もある 真核生物の転写終結機構は多様
Column RNAワールド仮説
以上のような事実を総合的に判断した結果、生命が誕生した頃は、多様な機能をもつRNAが、ゲノム、酵素、調節因子などのすべてを担っていたと考えられるに至った
RNAを鋳型にDNAを作る逆転写酵素が実在するという事実は、RNAワールド仮説を強く支持する